「溺愛10のお題」 6〜10


6 【君のにおい 】


7 【取捨択一 】


8 【鼓動 】


9 【ぬくもり】


10 【眩暈がするほど愛してる】


いやだ、と途切れる吐息に掠れた声が上がる。
その身体を組み敷き貪りながら、「何が嫌なの、シンちゃん?」と問えば、答えは無くただ首を横に振るだけだ。
……じゃあ、当ててあげようか。
パパに抱かれるのが嫌かな?
それとも私の存在そのものが?
そしてそんな相手に快楽を感じる事が…?
そんな言葉を囁けば、固く閉ざされていた瞼が上がり、黒い瞳が私に向けられた。
睨みつけているつもりだろうが、その歪められた表情は泣きそうなものにしか見えない。


この問いには、否定されたい思いと、それとは逆に肯定されたい思いが両方存在している。

───これ以上傷つけないように手放したい。だから肯定して、この手から逃れて欲しい。
───この腕に閉じ込めて手放したくない。だから否定して、この手を離さないで欲しい。

己の中にある相反する想いに、歪んだ愛情に、眩暈すら覚える。
私はこの子をどうしたいのだろう。
こんなに傷つけてまで、どうしたいと思っているのだろう。


ただ、愛している。誰よりも。
それだけは真実なのに。


お題は溺愛なのに、何かダークになってしまいました、すみません…;


ちまちまと、思いついた時に呟きブログに書いてますー。
溜まったらまたここにUPします。


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